
About Us
コーディネートからマネジメントへ。
皆さまこんにちは。BUILDING代表の森です。
私は当社を設立するまでに、商業施設の発注者として制作プロダクションや個人クリエイターにディレクションを行い、ギャラリーの企画担当者としてクリエイターと共に展示を考え作品を販売し、当社設立後は受注者としてクリエイターのサポートをして参りました。
広告制作におけるほぼ全てのステークホルダーを経験をしてきた立場から、コミッションワークの現場で発注者と受注者が求めていることを深く理解した上で、創業以来「双方が満足できるコーディネートが行うこと」をBUILDINGの提供価値の中心に据えています。
BUILDINGを2003年に創業した当初は「広告産業におけるイラストレーターの価値の向上」をスローガンに掲げてきました。
当時は予算や権利の取り扱いなど様々な局面において、フォトグラファー・グラフィックデザイナー・スタイリスト・ヘアメイクといった他のジャンルのクリエイターと比較するとイラストレーターに対する扱いが低いと感じることが多かったからです。
まずは我々自身がイラストレーターの呼称を「グラフィックアーティスト」と改めたり、イラストレーション制作の実態にそぐわない契約書の文言を改訂していただくように掛け合ったりと、少しでも業界の認識を変えようと(微力ながら)奮闘してきました。
ただ単純にイラストレーターを、他のジャンルのクリエイターと対等に扱っていただきたいという願いで奔走していました。
やがて2010年代に入る頃からは、下請法を始めとした受注者を保護する施策が広がったほか、発注者の皆さまがイラストレーターの個性や作品の価値に対するリスペクトを持って接していただいていることを、受注者である我々もしっかりと肌で感じるようになりました。
その一方でSNSで宣言さえすれば誰でも「プロ」を名乗れる時代にもなりました。
そうした空気の中で少しずつ感じ始めたのが、せっかく受注者の皆さんがイラストレーターを対等に扱おうとしてくださっているのに、「果たして受注側のイラストレーターはそれに応えられる振る舞いをしているのだろうか?」ということでした。
もしイラストレーターが「発注者から求められる振る舞い」をできていなかったとしたら、その理由の核心的な部分が「イラストレーターを取り巻く環境が他のカテゴリのクリエイターと異なることにある」こと。つまり業界の構造的な問題でもあります。
ユニークなイラストレーションを生み出すイラストレーターは、そのほとんどがフリーランスとして活動をしています。
他のクリエイターのカテゴリでは、古くから組織や徒弟制度が形成されており、制作プロセスやクライアントとのコミュニケーションなどを教えて成長させる仕組みがありました。そのため、組織や師匠から独立して活動を始めたばかりのクリエイターであっても、マーケットから必要とされる制作とコミュニケーションのスキルが備わっていることがほとんどです。
しかしゲームや漫画といった制作に大きな資本が投下される産業を除くと、イラストレーターにはそうした「絵を描くこと」以外の「ビジネスの現場で必要なこと」を教えてくれる仕組みがないため、コミッションワークに必要とされる制作プロセスやコミュニケーションのスキルに、個人間で大きな差が生じてしまうのです。
BUILDINGに所属するイラストレーターには創業時より一般的な商取引で要求されるビジネスマナーを厳しく要求してきました。一方で近年ではたとえ社会人経験の浅いイラストレーターであっても、実際の受発注を想定したシミュレーションメソッドを開発してトレーニングを行うなど、コミッションワークの現場に自信を持って立てるよう様々なサポートに取り組んでおります。
経験豊富なベテランからフレッシュなイラストレーターまで、発注者の皆さまが安心してオーダーメイドのイラストを依頼できるように。
マーケットに必要とされる作品を描けるイラストレーターが、プロフェッショナルとしてのキャリアを着実に歩めるように。
BUILDINGはただ条件を擦り合わせるコーディネートだけではなく、信頼のおけるマネジメントサービスを提供することにこれからも注力して参ります。
BUILDING 森 健司
